改造車の車検と申請書類について

公道で改造された車が走っているのをみかけたことはありますか? とても手の込んだ改造を施してある車もあり、このような車が車検を通るのか疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、改造された車のほとんどが、車検を通すことができません。それでは、改造車をお持ちのみなさんはどのように車検を通しているのでしょう。そこで今回は、改造車の車検についてご紹介いたします。
1. 構造変更申請とは?
改造車を車検に通すには「構造変更申請」というものが必要になってきます。ただし、どこを改造しても良いわけではなく、申請することで改造をすることが出来る箇所や部品があり、軽微な変更であれば、変更の申請が不要になる場合があるなど、事前の細かな確認は必須です。
まずは、構造変更申請の方法から触れていきます。
1-1. 構造変更申請の方法
構造変更申請は、車検の時期に行うと良いでしょう。なぜなら、構造変更の内容によっては、自動車税や自賠責保険、重量税の金額が変わってくるからです。バラバラの時期にしてしまうと変更手続きに手間と時間がかかってしまうので、同時期にしておくと良いでしょう。
変更手続きを行う場合は、管轄の陸運局や自動車検査登録事務所に必要な書類を提出しましょう。必要な書類は
・車検証
・自動車検査票
・点検整備記録簿
・自賠責保険証明書
・自動車重量納付書
などの基本的な必要書類の他に、
・改造自動車等届出書
・改造等概要説明書
・改造箇所の添付書類
・手数料納付書
などの申請書関連の書類が必要になってきます。また、場合によっては使用者の委任状や所有者の委任状が必要なケースもあります。改造変更申請にはたくさんの書類が必要になってきますので、自分が申請する場合にはどんな書類が必要になってくるのか、事前の確認を怠らないようにしましょう。
1-2. 構造変更申請の料金や審査期間は?
改造変更審査の検査手数料は小型車で2,000円、小型車以外は2,100円です。また、構造変更の検査は車検などとは違い、かなり厳しいものになっています。審査結果も10日前後とかなりの日数を要しますので、あらかじめ計画を立てておくとよいでしょう。
2. 車検に引っかかる改造
車高を低くしたり豪華なパーツを取り付けたりという大きな改造はしなくても、タイヤのホイールを変えたり、ガラスにフィルムを貼ったりと小さなオプションの変更などであれば、ご経験がある方も多いでしょう。
自分の車は大きな改造をしていないから大丈夫、と安心している方は特に注意が必要です。なぜなら派手な改造車ではなくても、車検に引っかかってしまう改造(カスタム)があるからです。
次は、車検で指摘されやすい改造箇所についてご説明いたします。
2-1.ダッシュボード
ダッシュボードの上にフロントガラスが大きく隠れてしまうような物を取り付けている場合などには、適切な前方確認ができないと判断され、不合格になる可能性があります。
2-2.遮光フィルム
運転席と助手席にフィルムを貼っている場合、透明度が80%を下回ってしまうと不合格とされてしまいます。これは三角窓などにも当てはまることです。車検前には必ずはがしましょう。
2-3.ヘッドライト
たとえ新しいものでもライトの光の質によっては合格基準の光量に足らず、不合格になってしまう場合があります。
2-4.座席
ヘッドレストやシートベルトや座席数などが車検証通りの数が無い場合、不合格になってしまいます。もともと3列シートが搭載されているにも関わらず、座席を取り外してしまっている場合などは元にもどしておくようにしましょう。
2-5.テレビモニター
後部座席やヘッドレストにテレビモニターが搭載又ははめ込んであると、強度検査に通らない場合があります。純正以外のパーツを使っている方は要注意です。
3. 保安基準に適合するカスタムパーツを選ぶ
カー用品のコーナーで「保安基準適合品」という表示を見かけたことはありませんか。道路交通法では、カスタムする際の車のパーツは法律が定めた基準に適合している必要があり、不適合なパーツを使ってしまうと「不正改造」とみなされてしまいます。
保安基準適合品とは、車検の際に必要最低限の保安基準に達していることを意図として造られたパーツなので、保安基準パーツを使用することにより車検を適正に通過できると考えても大丈夫です。
しかし、パーツ自体の状態が良くない場合や装着の方法が不適切な場合、車検の保安基準に満たないと判断されてしまうので注意が必要です。
4. 改造の注意点
「改造」と一口に言っても、車高の低いゴテゴテな車だけが改造車ではありません。タイヤホイールを変えたり、少々車の装飾やパーツを取り換えたりするだけでも、改造車となります。
車を改造すれば、先程ご説明したとおり、車検に通らなくなるといったリスクや構造変更申請をしなければいけないといった手間がでてきます。また、車を売りたい場合、改造車は相場よりだいぶ低い値段で取引されることが多いということも覚えておかなければいけません。
売るために、改造品から純正品に戻したとしてもその分の費用と手間がかかってしまいます。車を改造することは、カッコよく魅力的な行為であることは間違いないのですが、それ相応のリスクがあることも覚悟しておかなければいけません。
5.まとめ
今回紹介したように、改造した車を車検に通すための構造変更申請には、さまざまな書類を用意しなければいけなかったり、審査にまとまった日数を要したりします。
車を改造される際には、改造変更申請が必要ない範囲での改造を施したり、保安基準適合パーツなどを使用したりすることで車検の際の負担を少しでも軽くしておくと良いでしょう。これから車の改造をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
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